ブログBLOG

SEARCH

部下に自主的に報告させるには 部下の行動変容のために管理職育成を

管理職のマネジメント力向上が、組織成果の8割を向上させる

研修の仕事をしていると、経営者、幹部、人事の方によく言われます。
「新人や若手が自律的に動かない。教育してほしい」と。

組織の成果の8割は、実に下位層メンバーの働きによるものだと言われています。
新人や若手が自律的、能動的、創造的な働きをすれば、
組織成果の8割部分の拡大が期待できます。
だからこそ、彼らの育成や教育が大切なのですね。

新人・若手の育成は誰の仕事?

私たち研修講師は、依頼されれば当然、新人や若手メンバーの育成プログラムを考えます。
カリキュラムの1つ1つの項目について、
なぜそれが重要なのかを明確にし、腑に落ちるようにしますし、
モチベーションも上げた状態で職場にお返しします。

ですが・・・

残念ながら、私たち研修講師は彼らの上司や先輩ではありません。
基本的には研修当日だけのおつきあいです。
気持ちとしては毎日フォローしたくても、そのような立場にはありません。

なぜ管理職にマネジメント研修が必要なのか

つまり、彼らが学んだことを実践した結果をきちんとフィードバックし、
さらに成長できるように日々指導を行えるのは現場にいる人、
すなわち、『彼らの上司』なのです。

ですから、管理職には部下の育成を含めたマネジメント力が求められるのですね。

では、『マネジメント』とは、そもそもどんなことを求められるのでしょうか。
ここでは一例として、報告・連絡・相談を考えてみましょう。

報告をしてこない部下はけしからん!?

よく企業様から「部下が報告してこなくて困っている」という話を聞きます。
「けしからんことに、うちの部下は報連相をしないんだ」とも。
報連相がないのではさぞお困りのことでしょう。
ですが、報告をしてこないのは、部下のせいなのでしょうか?

上司は、部下の仕事がうまくいっていないのならば、その現状を確認し、
計画通りにうまくいくように統制しなければなりません。
部下の仕事の現状を知っているのは部下自身。
彼らに報告をしてもらわなければ、上司のマネジメントは実践できません。
つまり、上司のマネジメント行動に必要だから、部下に報告をしてもらうのです。

上司は、自分の仕事を遂行するために部下に協力的に報告をしてもらう、
という意識が必要と言えます。

今後は「部下が報告をしてこない」とうっかり口にしない方が賢明です。
それは、「私たち上司にはマネジメント力がありません」
と言っているのと同じ意味だからです。

なぜ報告してこないのか?

部下が報告してこない場合、その要因を考えてみましょう。
報告をしてこない部下が一人だけ、という場合は
そのメンバー個別の理由があるかもしれません。
個別面談をするなどして、報告の重要性を理解してもらいましょう。
報告のおかげで上司がどれだけ助かるか、
意義深いことなのかが理解できれば、
おろそかにはできないことが分かるはずです。

もし部下のほとんどが報告をしてこないのなら、
残念ながら上司のマネジメントに問題があると言えるでしょう。
例えば・・・
 ・いつも忙しそうにしている
 ・不機嫌であることが多い
 ・いつも不在
 ・普段からコミュニケーションがあまりない
 ・よく怒る
 ・部下がミスをすると叱る
 ・報告しても、報告内容が活用されていない
 ・報告の際に「ありがとう」を部下に言ったことがない

いかがでしょうか。
1つや2つ、当てはまるものはありませんか?

これらは部下の報告を遠ざけてしまう上司の態度です。

特に最後の、報告の際の「ありがとう」については
「なぜ上司がそんなことを言わないといけないのだ?」
と不満をあらわにする管理職も少なくありません。

上司がマネジメントできれば、部下は自律的に動き出す

上述の通り、上司のマネジメントを円滑に遂行するために必要な
部下の行為が報告なのですから、
たとえそれがクレームの報告であったとしても、
「私の仕事をスムーズにするために報告してくれてありがとう」
という意識で接することが大切です。

上司に貢献できると分かっていれば、感謝されるのであれば、
部下は喜んで報告してくるものです。

部下が自律的に動くように仕向けることは、重要なマネジメントの一つです。